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横浜市の男女共同参画センターによる働きづらさに悩む「ガールズ」サポート

利用者の声

第4期講座で 第2期修了生 naoさん(20代半ば)に、体験談を話していただきました(イラストも本人)

  • 2010/11/04

「なんでも自分でいいと思ったことはやってみる」

聞き手(スタッフ)「約1年前、ガールズのしごと準備講座にたどりつくまでの状況はどうでしたか」
~中学の頃から好きだったデザインを仕事にしようと思って、短大でその関係の勉強をして20歳で就職しました。片道2時間もかけて通う会社でした。社員で雇われた5人のうち4大卒でないのは私だけだったので、がんばらなきゃと強く思っていました。18時が定時だったんですが、だんだん20時、21時と残業するようになってしまって・・・。3ヶ月たったころには“なんで私はこれをやっているんだろう”ってもうわからなくなってしまったんです。

「からだが動かなくなっちゃったんですかね」
~まあ、そんなかんじ。それでたった3ヶ月で会社をやめることに・・・。
それからは家でとにかくうつうつとしました。心療内科にも行きました。薬ものみはじめました。家族は見守ってくれたけど、心配されるのがまた自分としてはやるせなかった。それで、県立の病院にたどりついて、そこは一度入院した人じゃないと通院もさせてくれないというし、家からも距離をとりたかったので“あたし入院します”といって、親には“悪いけどお支払いはお願いします”と頼んで入院しちゃいました。

「すごいですね。それからどうしたんですか」
~入院中はとにかくひまなので、NHKの福祉番組をみていたときに、不登校やひきこもりの会のボランティア活動が紹介されていたんです。ああ、自分もこういうことをやりたいって直感的に思いました。そのとき自分もひきこもりみたいだったんですけどね。で、退院したらなにかやることを見つけなくちゃ、また元に戻っちゃう★とこわかったので、いろいろ検索してボランティア活動を紹介してくれる講座みたいなのが横浜であったので、行きました。なんでも自分でいいと思うことはやってみちゃうんです。それで不登校の子どもたちと遊んだりするボランティアになった。その会の主催の方が私のことも気遣ってくださって、ここのガールズの講座があるよって聞いたんですよね。
「講座のときはどうでしたか」
~しょうじき、こわかったですね。はじめは。見ず知らずの人がたくさんいるところに飛び込むのが何年ぶりかだったし、やっていけるのか、不安でした。でも、スタッフの方たちがけっこうなごませてくれたりして、途中から“ああだいじょうぶかも”と思えました。

「いつもおしゃれさんなので、写真を撮らせてもらいましたよね。最後の日に、naoさんが“3日休んでしまったのが心残りだけど、以前の私だったら3日も休んでダメダメだったと思うところだけど、なんだか今日はあとの10何日か私はがんばれたと思える”って言ったのがすごく印象的で、いまでもおぼえているんですよ」
~そうか。うれしいです。いろんな講師の人の話とかも聴けて、会社ではないけど年上の人との付き合い方とか、人との交流の仕方とか、ここで体験できたかなって思います。
たのしかったです。自分の行動や気持ちの見方を変えるっていうのは、ガールズ講座だけじゃなくて病院でも教わったことでした。それと“外に出る”っていう誰でもできると思われること、それが出来てる自分を、よくここまできたなって思えました。

「講座が終わってから、どうしていましたか」
~私は掃除や片づけをするのが好きで、部屋のそうじはよくしましたね(笑)。3日ぐらい考えるんです。どこをどう片付けるべきか・・・。単純にぐうたらで動けないでいるときもありましたが・笑。
12月に講座が終わって、年が明けて4年間のんでいた薬がいやになってやめる決心をしました。医者にも言いました。もういい、って。この時期は何もできずにつらかったですね。
それから3月に「フォトカフェ」のコンシェルジュ(ガールズの参加者を集めて、卒業生に講師とおもてなし役をやってもらう企画)を務めて、それはひとつ区切りになりました。
それで4月から(求職)活動をちゃんとしようと。6月までにはなにか決めよう。 8月は誕生日だからそれまでには働いていよう、とか区切りを作ることにしました。それで、自分の好きな店で販売のバイトを募集していたので応募したら“デザインができるなら本社の募集もあるから”といわれてそちらで採ってもらえたの。不況だから応募はすごくあったみたいなんですけど。それで夏から行き始めました。

「時給はいくらでしたか」
~850円です。デザイナーのアシスタントみたいな仕事でした。店舗で使うポスターや販促チラシを作ったり。あとは雑用も何でもやりました。
渋谷なんですけど、交通費も850円までしか出なかった。それでも、私にはお金の問題じゃなく、とにかく働くことが大切だったのでせいいっぱい、いろんなことを吸収しようと思って(ポストイットがたくさん貼られた手帳を見せてくれる)やりました。
朝起きて身支度をして出かけて、電車に乗る。昼にごはんを食べて、夕方まで働く。
みんなが当たり前にやっていることを(日数は少ないけど)自分もできているのが面白くて、新鮮で。それが一番の自信になりました。まだまだいけるって思えた。
だけれども、その会社の事情で、社員さんの仕事が少なくなったときに私の仕事がそっちへいってしまった。あ、やばいと思いましたね。それでまた就職活動を始めていたら案の定、肩をたたかれました。次が決まったので今月でやめることにしました。

「たいへんでしたね。それで次はどうするんですか」
~今度は社員登用のあるところで働きたいと思って。地元のカフェで“販促もできます。 こんなこともあんなこともがんばります”といって採用してもらいました。来週から週3,4日の勤務で、行くことにしています。とにかく、トライしてみる。ここに参加したい、この人に会ってみたい、と思ったらたずねて行ってみるんです。

いまこうしてみなさん講座にもちゃんと出てきているじゃない。それだけでもすごいこと。いろんなときがあるけど、続けていたら、できるときが来るよ、って最後に言いたいです。私もそうだったから。

★おまけ★
前の会社を辞めるとき「naoちゃんはどうしたいの?」って上司に言われました。
その時、すごくあわててしまって。口ごもってしまったんです。
この先の考えや意志を持っていない自分がすごく情けなくて。
でもそれと同時に自分が一人の社会人として認識されていることに気付き、しっかりしなくてはと思いました。私もまだまだ、まだまだ、通過点にもたどり着いてない。これから、これからって思います。





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