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横浜市の男女共同参画センターによる働きづらさに悩む「ガールズ」サポート

お知らせ

恩田夏絵さんに聴きました

「人」に傷つき、「人」に癒され

そんな感じで生きていく

~恩田夏絵さん体験談

コロナ下の……ガールズ講座第24期 4日目。

ひきこもりUX会議を運営されている、先行く先輩、恩田夏絵さんのお話をうかがいました。恩田さんには2019年からガールズ講座の中で体験談の一コマをお願いしています。

今回のお話のタイトルは、標題のように付けてきてくれました。

小学校2年生の時から、学校というものに全然納得できなかったこと。極めつけは三角形の面積の求め方!

「底辺×高さ÷2って、それがいったい何の役に立つんだ?! なんの意味があるんだい」と思ったのだと。

そして親にお金を出させまいとして、恩田さんは定時制高校へ行くことにします。

そこには年齢も境遇も違うさまざまな人がいて、同一性が低い集団だったからとてもよかったと。「今から高校に、という人がいたら絶対オススメ!」だそう。

以下、こちらのサイトに読みやすいインタビューが掲載されていたので、謹んで抜粋させていただきます。

「学びの場.com」2019年7月 恩田さんインタビュー


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■小学生から不登校

「絵を描いたり、ものづくりが好きだったのでデザイナーになりたいという夢があったのですが、学校で教わっていることが、自分のやりたい仕事にどう結びつくのかがわからなくて、小学校2年生からあまり学校に行かなくなりました。こだわりが強すぎて、学校教育に納得がいかなかったんですね。親も私が学校に行かないことに対して「自分のやりたいことをやったらいい」と受け止めてくれたので、わたしは不登校を選択できました。 それでも親が学校に呼び出されたり、周りから「なんで夏絵ちゃんは学校に行かないの?」と聞かれている様子を見ているうちに、自分が社会的に認められていないことに気がついて、後ろめたい気持ちもありました。それで学校に行ったり行かなかったりを繰り返すのですが、みんなが当たり前にできることが、自分にはできなくて「自分はなんてだめな人間なんだ」と責めるようになりました。それが中学2年生のときで、結局義務教育は半分くらいしか通えませんでしたね。

本格的にひきこもっている中で「20歳までに何も見つからなかったら人生を諦めよう」と決めました。ただ運良くというか、定時制の高校に進んだことで、少しだけ元気になって通いきることができたのです。」

■定時制の高校に進学

「それまでひきこもりながらも「まともな人間にならなくちゃ」という思いはあって、でも全日制の学校に通うことは恐怖だったので、定時制の学校を選びました。驚いたのは、定時制高校に行ってみると、そこにいる人はバックグラウンドも様々で、同級生には全日制から編入してきた1、2歳年上の人や、一番年齢の高い人では65歳という方もいて、1クラスが異年齢で成り立っていました。自分の中におぼろげにあるクラスのイメージとは全く違うものでした。学校にありがちな同一性が低く、同調圧力のようなものがそこにはなくて……。

少しは元気になりましたが、それでも定時制に入るまでの15年間ずっと自分を否定し続けて生きてきたので、通いきれても、その先の自分の人生を生きられる自信を培うことはできませんでした。「20歳になったら人生を終わらせよう」という気持ちは変わらないままで、それでも日本ではない所に行ってみたいと思いきって、人生最後の旅だと乗り込んだのが、ピースボートの船旅だったんです。」

■ピースボートの船旅は

「自分の過去を知らない人たちと過ごした3ヶ月間は、とにかくとても居心地のいいものでした。不登校・ひきこもりを“レッテル”に感じていて、あまりにも自己肯定感が少なかった私にとって、肩書きが不要な環境の中で、誰かと一緒に笑ったり泣いたりできる経験はとても貴重で。 そこには学歴も職歴も、年齢も関係がなくて、「日本の常識が外国では非常識」だと実感したとき、いろいろな人生があるんだと思えて、自分自身のことも肯定できるようになりました。自分はこのままでいいんだって。」

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抜粋はここまでです。

プロフィールもわかりやすいのでお借りしてしまいます。

恩田夏絵(おんだ なつえ)

1986年、神奈川県生まれ。小学2年生から不登校をはじめる。ひきこもり、リストカットなどを経て定時制高校を卒業するも、“生きること”への希望を見いだせず、2005年に人生最期の旅のつもりでピースボート地球一周の船旅に参加。様々なヒトと出会うことで“生きること”の多様さを実感し、死ぬのをやめて現在の仕事(国際NGOピースボート)に就職。2010年、ヒトの多様性を学ぶ洋上フリースクール『ピースボート・グローバルスクール』を開校。2014年からは当事者目線で“多様な生き方”を提案していくことをコンセプトに活動するグループ「ひきこもりUX会議」を主宰。

○恩田さんのブログ

「ひきこもり、世界を旅する。」

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このような体験談の後で、「人にとって大事なものは二つ。それはなんでしょう?」という問いかけがありました。

恩田さんの答えは「自由」と「尊厳」

お金があっても、この二つがなければ生きられない、とも。

社会学者の宮台真司氏が言われていたそうです。

そして最後に、ご自身の意識してきたこととして、次の4つ(筆者まとめ)を伝授くださいました。

1 自分の嫌いなことがなにかをキャッチして遠ざける

2 自分の感情を(どんな感情も)否定しない

3 (底から脱して動けるようになったら)成功体験を積みやすい環境に身を置く

4 自分のことを言語化する

4は大変なことですけれど、「語彙が足りないと思ったら、小説を読む、映画を見る、人の話を聞く、などいろいろ吸収していくといいよー」とのこと。

あ、「自分のことをまったく知らない人たちの中に身を置くのはいいよー」ともおっしゃっていました。

そんな話を聞いてか? ガールズ講座修了生にはピースボートの船に乗った方もいらっしゃるそうです。ボランティアをして、労力で乗船費を削ることもできるとか。

もっともっとたくさんのことをお話しいただいたのですが、聞くほうに容量がないとこぼれてしまいます。参加者のノートにはきっと、それぞれお気に入りの言葉たちがメモされていることでしょう。

自分のことを話してくれるのはスゴイことだけれど、それを深く呼吸して聴く人がいてこその場。

お話の後、少人数のグループで感じたことなどわかちあい、深まったところで何人かの方が発表してくださいました。青い湖にさざ波がひろがっていき。。。

みなさま、心の体力、じんわりとお疲れさまでした!

ガールズ講座はつづきます♡

※追 伸

ここまで書いて、恩田さんに内容確認をお願いしたところ、こちらも紹介くださいました。

どうしたらもっと生きやすい社会になる? 
「不登校とマイノリティ」イベントレポート
〈2017年7月〉
https://www.manabinoba.com/interview/018352.html

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