2016年秋のガールズ講座(第16期)で、体験談を語ってくれた11期の修了生のお一人。
2014年度のガールズ講座とめぐカフェ就労体験を利用し、その後カフェでのアルバイトを経て老舗の和菓子屋さんにアルバイトとして就職。その後その会社の正社員となり現在働いておられます。
2016年秋の講座の体験談では、次のようなことを話してくださいました。ご本人の了解を得て紹介します。
***************体験談(2016年秋)*******************
■ガールズ講座にきたきっかけは、サポステ(よこはま若者サポートステーション)での紹介。
まずサポステに行くまでに3ヶ月かかり、ガールズ講座は通い始めて半年後くらいに紹介してもらいました。
女性だけの集まりはあまりないというのも、参加を決めた理由にありました。
サポステは月2回ほどでしたが、ガールズ講座はほぼ1日おき。
不安もありましたが “20代後半なのにアルバイトの経験もない”という焦りがあったので何とかしたいと思い、
参加を決めました。そして通ううちにだんだんと慣れていきました。
ヨガや調理実習が印象に残っています。ヨガは今でも家でやっています。
調理は当時家でもやっていたことだったので比較的安心して参加できました。
■めぐカフェの就労体験は「ステップ1」「ステップ2」と進みましたが、
私にとってちょうどよいステップアップになったと思います。
家でずっとやっていた食事作りも活かすことができました。食の仕事っていいナと思ったのもこの頃です。
カフェに来るお客さんもあったかくて、次第に「失敗しても大丈夫」と思えるようになっていきました。
声が小さいのも気にしていたのですが、それも慣れてきて「できるかも」と気持ちが変わっていきました。
カフェでのアルバイトは6か月経験しましたが、「コミュニケーションがダメ」と思いこんでいた私に、
一緒に働いていた人たちが「そんなことないよ」といつも言ってくれて「私、できてるんだ・・・」と。
レジを担当したときに、お金のミスをしてしまったことがあり、
そのときに「責任」ということを痛感したのをすごく覚えています。
■そのカフェは週に入れる日数が少なかったので、
もう少し働けるところに移れるよう、3か月くらいたったころから少しずつ準備を始めました。
ステップアップのために気持ちを整理したいと思い、
100円ショップで買ったノートに自分が興味のあることや好きなことなど、あれこれ書いたりもしていました。
100均ノートは、自分の気持ちを吐き出すのと予定を書くのも兼ねてガールズに通う前に始めました。
(自分のことを表現するのが難しいと昔から思っていて、何でも思い浮かんだことは書いてました。
線なしの無地のノートが自由に書けておすすめです)
ガールズ講座で自分の振り返りをする時や面接の履歴書を書く時にも役立ててました。
けっこうメモ魔で、今の仕事を始めてからも、何かあるとちょこちょこ書いてすっきりしています。
■“自分の成長を実感したとき”ですか・・・?(笑)
ハローワークで「飲食関係」で調べて、あるところに面接に行ったとき、
緊張しすぎて全然話せず、受け答えがボロボロでした。
でもこの面接での失敗もこのころには「それも経験だ」と思えるようになっていました。
“成長”はそのときに感じられたかもしれません。
その後、現在の職場にアルバイトとして入りました。和菓子の製造と販売です。
今の職場に決まって、初出勤の前日、母と妹の前で泣いてしまいました。
この年で社会に出て本当にやっていけるのか不安でした。
実際はじめはミスばかりでしたが、周りの方に助けて貰って続けられました。
めぐカフェで挨拶など身に付けられたので、礼儀とか何も知らない状態ではなかったのは本当に大きいです。
場所柄もあって、外国人のお客様も多く、大変ながらも楽しくやっています。
よくしてくれる先輩女性がいて、私に元気がないときには気がついてくれて、
時々ごはんに誘ってくれたりして、とてもありがたいです。
息抜きの時間や方法を作っておくのは、働くときにとても大切だなあと感じています。
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担当は、ひさしぶりにこの修了生にお会いして、とても元気そうで、
周りの人たちとのかかわりの中で、
自分の心地良さを見つけながら過ごしているんだなあと感じました。
穏やかで、温かい感じは少しも変わっていませんでしたが、
以前「コミュニケーションは苦手」「自信がない」と話していたときと比べ、
この方の持つ力というのでしょうか、うまく言えませんがそのようなものを感じました。
(それが「キラキラしている」という表現になるのかもしれません)
その後、体験談で話してくれたことを時々思い返しているうちに、
「彼女があんな風に変化して見えたのは、なぜだろう?
「失敗しても大丈夫」と思えるようになったきっかけはどこにあった?
何かターニングポイントはあったのだろうか?」
と思い、その講座の開講期間中にご本人にもう一度それを尋ねてみたのです。
すると、メールでこんな返事をくれました。
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「失敗してもいい」は実習前に、当時のめぐカフェコーディネーターが言ってくれた言葉。
そしてめぐカフェ実習はそれが実感できる環境でした。
「経験だ」は就活、就職前に泣きながら吐き出したあと、半分開き直りで思ってました。
怖いからこそ前向きに変換して言い聞かせて、ハードル下げて少しでも自分を楽にしてたんだと思います。
経験ない分が今きてる、たくさんくるっていうのはずっと思ってました。
大人と言われる年齢ですが、やったことのない事、分からない事だらけで恥ずかしかったし、
社会に出たら絶対大変って想像するだけで怖かったです。
人から見たら遅いけど、恥かきながらでも学ばなきゃって気負ってました。
もちろん、今もやっぱり、恥ずかしかったり失敗したら嫌だなぁと思います。
でも今さら周りと比べなくてもいいや、すぐにはムリっと思える時もあります。
はっきりいつからか分かりません。
ちょっとずつチャレンジして自信つけて悩んで浮上するために考えて…の繰り返しで
だんだん自分を励ませるようになりました。
(例の100均ノートにもよく書いてました)
いつもではないけど、少しずつそういう体験をして
自分を楽なほうにもっていく方法を発見できた感じがします。
前向きな方に変換、
元々は自分の考え方だけじゃなくて、ポッと出てきた感じで、
経験とか周りからかけられた言葉とか以外に
テレビ、本、ブログとかでこんな考え方あるんだとか、誰かが言ってた言葉とか
改めて考えたらそういうのから影響受けてるのもあるかもしれません。
(これもよく書いてました。メモ魔です)
自分を励ませる言葉とかってみんなあると思うので、いっぱい見聞きしてたものから、
なにかポッと出てきて支えになる時あるんじゃないかなと思います。
ガールズ講座11期&めぐカフェ就労体験修了生
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いただいたこのメールは、2016年秋の講座で、体験談の先輩からのエールとして講座内で紹介しました。
そしてこのたび、それから一年もたってしまったのですが、
2017年度の17期、18期のみなさんと講座の時間を過ごす間、
たびたびこのお便りのことを思い出したこともあり、
「やはりこのHPでも広くご紹介したい」と担当は強く思うようになりました。
「すぐに、無理してでも働かなくちゃいけない」
「周囲から言われてどんどん肩身がせまくなる・・」
「ほんとは苦しいけど、それを言うと甘えてるだけと言われる」
など、自分の力を奪うきっかけは意外とまわりにあふれていて、
その中に長くいると「もうダメかも」と気持ちがなえてしまう人もいるかもしれません。
でも、自分の「底力」は何によってむくむくと頭を出してくるか、わかりません。
その大事な芽は色々なところに隠れていて、
少しずつ少しずつ自分がそれを探し集めていくことでじわじわと身体にたまっていくのかもしれないな、
と彼女の体験談、そして講座で一緒に過ごす受講者の方たちを見ていて思うようになりました。
「コレッ」というターニングポイントがあるのではなく、
「自然に変化していく自分」は、ある時ふと気づくものなのかも・・と。
みなさんはどう思われますか?
この修了生の方をはじめ、たくさんのガールズ修了生の方たちから、
私たち担当者はいつも大事なことを教えてもらっています。
これからも多くの方たちと出会えますように。
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